地理的位置
ルンブール谷。山の向こうはアフガニスタン。
 カラーシャ族が住むボンボレット谷、ルンブール谷、ビリール谷の三つの谷は、アフガニスタンからパキスタンにまたがるヒンドゥークーシュ山脈の中にある。地理的にはパキスタンのNWFP州(北西辺境州)の北部、チトラール県の中の、チトラールの町から南西35〜40キロ、アフガニスタン国境に近いところにある。標高は2千メートル前後。
 各谷とも5〜6つの集落を形成しているが、夏から秋の間は、畑地の夏の家に移住する家族もある。男たちは山羊の世話をしながらチーズやバターを作るために、交代で高地の草地に住み込む。したがってカラーシャの生活圏は谷だけではなく、周囲の山々も含まれる。

 周囲の人々
 谷にはカラーシャの他に、移住してきたイスラム教徒、イスラム教徒に改宗した元カラーシャ、定住したインド系遊牧民、アフガン国境を越えて移住してきた元カフィ−ルのヌーリスタン人なども住んでいる。ボンボレット谷とビリール谷はカラーシャよりもイスラム教徒の数が多い。

 交通手段
 2007年から、イスラマバード〜チトラールのフライトが毎日運行しているので、日本から非常にアクセスしやすくなった。従来のペシャワール〜チトラール便も毎日運行している。しかし、有視界飛行のため、雲がかかったり、風が吹いていたりするとすぐ欠航になる。
 ペシャワール〜チトラールを陸路で行く場合は、ラワリ峠越えをするので、直行便でも12〜13時間かかる。12月から4月末まではラワライ峠が雪で被われるために陸路は不可能となる。(なお、現在峠の下にトンネルが建設されていて、近い将来は冬でも陸路のアクセスが可能となると思うが、リスクが高そうなので、あまりおすすめできない。)
 三つの谷とも、バザールや飛行場があるチトラールの町からジープでアクセスできる。ボンボレットの谷が一番大きくて開けていて、近年ホテルもどんどん建ち、20年前には数軒だったのが、今では20軒以上もある。
 いずれの谷に行くにしても、まずチトラールの警察署に行って、外国人登録をしなければならない。その書類を谷の入口のチェックポストで見せて200ルピー払うと、谷に入る許可証をもらえる。
州都ペシャワールからチトラールの町に陸路で入る時に越える標高およそ3100メートルのラワリ峠。 谷の入口にあるアユーンの町から、ヒンドゥークーシュ山脈の最高峰、標高およそ7800メートルのティリチミール山をみる。 山肌を削り、石を積んで造られるルンブール谷のジープ道路。 

 気候
標高2000メートル前後に建つカラーシャの村には、冬は雪がふる。
 季節は春夏秋冬がある。冬はマイナス5〜10度くらいに寒くなり、雪も積もる。しかし地球温暖化で近年の冬は暖かく、雪も少ない。夏は日差しが強くて暑いが、乾燥しているので日陰は涼しい。雨季はない。 
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