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Vol.15 2004年9月20日、10月6日 
―9月20日 いつ完成するのやら多目的ホールと作業場―
 予定では今ごろはもう完成しているはずの多目的ホール&作業場は、壁が出来あがってからなかなか進まない。建築の指揮監督を自分が絶対にやると言って譲らなかったので、仕方なく指揮を任しているジャマット・カーンの材木集めの手順が悪くて、ここに来て、梁の上に交差して置く材材が足りないと言ったりする。材材と一口に言っても、用意するには、まず山に行って木をみつくろって切り出し、その丸太の先に楔を打って、そこにロープを結わき、男がロープを肩にかけて、急な山肌を引き下ろしてこなければならない。加速度をつけて、斜面を駆け下りるのだが、丸太の下敷きにならないように、危機一髪のところで、さっと横によけて丸太を走らせるという命がけの作業である。本来はこの時点で数ヶ月から1年ぐらいの間、乾燥させるために置いておく。

建設中の多目的ホール
 乾燥した丸太は角材にするために、切る人から見て垂直でなく水平に刃がついている斧で、四辺を削られる。その後に、1メートル以上もある特大ノコギリを上下二人がかりで引いて、何日もかかって必要な幅に切っていく。最後にそれらの材木を、谷に一人しかいない大工さんがカンナで削って整えるのであるから、途方もない時間がかかるのだ。

 しかも今の時期はちょうどとうもろこしやクルミ、リンゴなどの収穫期にあたり、作業人たちはそれぞれ各自の家の収穫の仕事もしなければならないので、人が集まらないときている。ジャマットの監督ぶりがおぼつかないので、8月に日本からわざわざジャマットを監督しに来てくれた村串静江さんも、「この現場を見ているとじれったくて、気が落ち込む」とおっしゃる。

―9月20日 いつ完成するのやら多目的ホールと作業場―
 9月22日から1週間は、村串さんが、日本から同行して来た大学生まさと君をイスラマバードに送りに行くというんで、私とヤシール(カラーシャ小学校のアシスタント教師で、バラングル・ゲスト・ハウスの面倒見のよい長男)もくっついて行ったので、村を留守していたが、その間ずっと雨で作業ができなかったらしい。今年の秋は雨が多くて、収穫した作物が濡れたり、日に乾せなかったりで、村人も困っている状態だ。 (取り合えず今日はこれまで。終)
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